代表的なSF作品の賞の種類と解説
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小説には様々な賞がありますが、中でもSFに関連する賞について、作品なども合わせて紹介します。よくキャッチコピーなどに使われているので、次に読む小説選びの参考になれば幸いです。
海外で有名なSFの賞
次に海外で有名な賞を紹介します。
ヒューゴ―賞
1953年の世界SF大会(ワールドコン)において創設されされました。
現存する中で最も歴史の古いSF・ファンタジー文学賞です。アカデミー賞をヒントとして提案され、アメリカSF界最初期の功労者であるヒューゴー・ガーンズバックにちなんだ「ヒューゴー賞」というニックネームが与えられました。 ヒューゴー・ガーンズバックは1884年にルクセンブルグで生まれた男性です。
無線通信機の発明や世界初のSF専門誌「アメージング・ストーリーズ」を創刊したことで有名です。
選考委員や審査員は存在せず、ワールドコン参加者(つまり一般のファン)の投票によって受賞が決まります。
有名な受賞作だとj・k・ローリングの「ハリーポッターと炎のゴブレッド」やロバート・A・ハイラインの「月は無慈悲な夜の女王」などが挙げられます。
ネビュラ賞
ネビュラ賞はSFWAが主催し、SF(スペキュレイティブ・フィクション)やファンタジー作品を対象に授与する文学賞です。
第1回ネビュラ賞は1966年、1965年の刊行作品を対象として行われました。
ネビュラ賞はSFWA会員(作家、編集者、批評家など)の投票によって選ばれます。
因みにヒューゴ―賞とネビュラ賞を同時受賞した作品はダブルクラウンと呼ばれます。
主な作品としては、フランク・ハーバートの「デューン」やアーシェラ・k・ルグィンの「闇の左手」、ウィリアム・ギブスンの「ニューロマンサー」などがあります。
他にもたくさんありますが、ダブルクラウンにもなると大体翻訳されていると思います。
フィリップ・K・ディック賞
SF作家フィリップ・K・ディックが1982年に死去したことから、翌1983年に故人を記念して創設されたSFの文学賞です。
フィリップ・K・ディックといえば、いわずもがなな有名なSF作家で代表作としては「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が挙げられます。
前年にアメリカでペーパーバックで刊行されたSF小説の中の最優秀作品を選ぶ賞です。
候補作と受賞作は作家と研究者が構成する5人の選考委員会により決定されます。
伊藤計劃の『ハーモニー』が特別賞を受賞したことでも知られています。
ローカス賞
英語圏におけるSF・ファンタジー作品を対象とした文学賞です。 アメリカの老舗月刊セミプロSF情報誌『ローカス』(Locus) が主催する賞で、1971年に第1回が行なわれて以来、毎年継続しています。
前暦年に出版された作品を対象として『ローカス』誌が作成したリコメンドリストを参考に、一般投票により各部門の受賞作が決定されます。
有名な受賞作だとアーサー・c・クラークの「宇宙のランデブー」やアーシェラ・k・ルグウィンの「所有せざる人々」などがあります。
銀河賞
銀河賞は、中国の『科学文芸』(のちの『科幻世界』)と『智慧树』の二雑誌が協力して1985年に創設した、中国で最も歴史と権威のあるSF文学大賞です。
近年では中国SFの注目度も非常に高まっています。
有名な受賞作だと劉慈欣の「三体」があります。これは本当に面白いです。
日本で有名なSFの賞
日本で有名なSFの賞について紹介します。
星雲賞
前暦年に発表もしくは完結した、優秀なSF作品およびSF活動に贈られる賞です。
ワールドコン(世界SF大会)のヒューゴー賞を範に、1970年に創設された、日本でもっとも古いSF賞。
「星雲賞」という名前は、1954年に刊行された日本最初のSF雑誌と言われる『星雲』に由来します。ネビュラ賞の日本語訳ともかけている。 毎年行われる日本SF大会参加登録者の投票(ファン投票)により選ばれる。 有名な受賞作としては、小松左京の「日本沈没」や広瀬正の「鏡の国のアリス」などがあります。
日本SF大賞
日本SF大賞(にほんSFたいしょう)は、日本SF作家クラブが1980年に創設し、主催している賞です。
年1回、9月1日から翌8月31日までの1年間に発表された作品(出版物や映像作品、および現実に起きた出来事や製品も含む)の中から最終候補作を選び、日本SF作家クラブの総会で選ばれた数名の選考委員による討議を経て受賞作を決定されます。 有名な受賞作だと大友克洋の「童夢」や押井守の「イノセンス」などが挙げられます。
公募(日本)
次に応募できる小説の賞を紹介します。
ハヤカワ・SF・コンテスト
ハヤカワSFコンテストは、早川書房が主宰するSF小説の公募新人賞です。
ハヤカワSFコンテスト- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ
400字詰原稿用紙換算100~800枚程度(5枚以内の梗概を添付)で中~長編小説です。
正賞は賞牌と副賞で100万円が授与されます。
読んで面白かったものだと間宮改衣の「ここはすべての夜明けまえ」があります。
創元SF短編集
創元SF短編賞は、2009年に募集が開始された、東京創元社が主催する「広義のSF」の短編を対象とする公募新人文学賞です。
枚数:40字×40行換算で10~25枚(400字詰原稿用紙40~100枚相当)の中編小説を対象としています。
星新一賞
2013年より始まった日本経済新聞社が主催する理系的な発想に基づいたショートショート、および短編小説を対象とした公募文学賞。 一般部門とジュニア部門に分かれていて、それぞれ10000万文字と5000文字という短編小説を対象としています。
結構副賞もたくさんあり、トロフィーと100万円、協賛企業からの副賞もあり豪華な印象です。
ちなみに受賞作は以下から無料で読めるのでお勧めです。
文字数も少ないので結構手軽でおすすめです。私も宝くじ感覚で毎年出しています。