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[攻殻機動隊]2026年新しいアニメまでに予習したいサイバーパンクの傑作


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人はどこまで機械になっても“人間”でいられるのか?
『攻殻機動隊』は、脳がネットにつながり、体が機械で置き換えられる未来で、「意識」「自我」「人間性」を問い続けるSF作品です。
AIや電脳化が当たり前となった社会で、公安9課のエリートたちが繰り広げる情報戦と哲学的葛藤。
1990年代に描かれたにもかかわらず、今なお色褪せないその先見性と美学に、世界中のクリエイターが影響を受け続けています。

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あらすじ

西暦2029年。より複雑化していく犯罪に対抗すべく結成された特殊部隊……公安9課に所属するその組織の名は、攻殻機動隊と呼ばれた。
西暦2029年。通信ネットワークに覆われ、膨大な情報が世界を駆け巡っている超高度情報化社会。しかし国家や民族、そして犯罪は依然として存在していた。より複雑化していく犯罪に対抗すべく結成された特殊部隊……公安9課に所属するその組織の名は、攻殻機動隊と呼ばれた。

舞台は21世紀後半。核戦争とその後の非核戦争を経て、世界は「地球統一ブロック」という新たな秩序のもとに再編され、科学技術が飛躍的に進歩した日本が物語の中心となる。特に発展を遂げたのが、脳とネットを直結する「電脳化」、そして**身体の一部を機械化する「義体化」**といった技術だ。

この世界では、多くの人間が電脳を介してインターネットへアクセスし、時に身体の大部分を機械で構成するサイボーグとして生きている。生身の人間、完全義体の者、人工知能を搭載したアンドロイドが混在し、かつての人間像が曖昧になる社会が広がっている。

そんな中で重要な役割を果たすのが、内務省直轄の特殊部隊「公安9課」。サイバー犯罪、テロ、政治的な謀略を未然に防ぐために活動する精鋭チームであり、彼らの任務は情報戦から現場の戦闘まで多岐にわたる。隊長である草薙素子は、完全義体化した少佐であり、高度な電脳能力と身体能力を兼ね備えた存在だ。

物語は、テクノロジーが人間の境界を曖昧にしていく社会で、彼女たち公安9課のメンバーが直面する事件や陰謀を通して、「意識とは何か」「人間とは何か」といった深いテーマを描いていく。

作品のおすすめポイント

 1. 「人間とは何か」を問い直す哲学的SF

攻殻機動隊の最大の魅力は、「電脳化」「義体化」が普及した社会において、人間の定義を根本から問い直している点です。

  • 肉体をほぼ機械に置き換えても人間なのか?
  • AIと人間の違いはどこにあるのか?
  • 「ゴースト(魂)」とは何か?

これらの問いは、**デカルトの「我思う、ゆえに我あり」や、東洋思想の「空」**にまで通じ、ただのSFではなく、哲学的思索を促す文学作品としての側面も持っています。

 2. リアルな未来像とサイバーパンク美術

本作が描く未来社会は、単に「高性能な機械」が溢れているだけではありません。
電脳犯罪、情報格差、セキュリティ問題、国家の監視体制といった、現実の延長線上にある危機を描いています。

  • 世界観の構築には、80〜90年代の日本のハイテク都市・香港・湾岸都市などが影響
  • サイバーパンク作品の中でもリアリズムと美術的完成度が高い

こうしたビジュアルと都市描写は、のちのマトリックスなど西洋SFにも大きな影響を与えました。

 3. 東洋思想と西洋哲学の融合

草薙素子の存在は、「自我とは何か」という西洋的思索と、「無我・空・ネットワーク的自己」という東洋的思想が交錯する象徴です。

  • 仏教的な「輪廻」や「空」
  • ネットワークに拡散する自己=「集合的な意識」

これにより、攻殻機動隊はグローバルな文脈でも読み解ける思想的普遍性を持っています。

 4. AIと人間の境界の先を描く先見性

AIとの共存を語る現代において、攻殻機動隊はそのはるか前から人工知能の人格・権利・意識をテーマにしてきました。

  • 「人形使い」など、自我を持ち始めたAIとの対話
  • 素子自身の存在の「情報化」=自己のアップロード

ChatGPTやデジタルツインの出現した今だからこそ、改めてその先見性が再評価されるべきです。

作品ごとの違い・見る順番について

攻殻機動隊の一番の特徴は監督によって世界観が微妙に異なるという点です。

メインのキャラは同じですが性格が異なります。

大きく分けて4つ、原作の士郎正宗先生の漫画、押井守監督の映画、神山監督のアニメ、黄瀬監督のアニメがあります。それに加え2026年に公開される映画や他の作品群がたくさんあります。

私は色々な考えがあると思いますが、2番の押井作品のGHOST IN THE SHELLから見るのがいいのかなと思います。攻殻機動隊の世界観が分かりやすいし、映画一本だけで短いからです。

2026年の新アニメは原作準拠らしいので、ちゃんと予習したい人は1番の原作を読んでおくといいかもしれません。

1と2を見終わって「面白い」と感じた人は3のアニメも楽しめると思います。

その他は好みで、時間がある時に興味があるのを見るのがおすすめです。作品数が多くて大変ですからね。

1.攻殻機動隊(原作漫画・士郎正宗)

まずは原作の攻殻機動隊です。

作者は士郎正宗先生です。初出は1989年のヤングマガジンです。

読んで驚くのは情報密度の高さです。欄外にも多くの注釈があり、少し難しく感じる人もいるかもしれません。

それに加え、押井守や神山健治のアニメ版とはトーンが異なります。原作の方がユーモア多めでキャラクターのイメージと違う感じがします。

2巻に関しては少し成人漫画的な描写があるので苦手な方は気を付けてください。

2.GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊・イノセンス(映画・押井守)

2.1 GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

超高度ネットワーク社会の中で、より高度・凶悪化していく犯罪に対抗するために政府は、隊長・草薙素子少佐を始めとする精鋭サイボーグによる非公認の超法規特殊部隊を結成。
公安9課「攻殻機動隊」の誕生である。 ある日某国情報筋から攻殻機動隊に警告が発せられる。
EC圏を中心に出没し、株価操作・情報操作・政治工作・テロなどで国際手配中の”通称:人形使い”が日本に現れるという。素子は犯罪の中に見え隠れする”人形使い”の影を追う。

このGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊が一番有名な作品かもしれません。

セルアニメと初期のCGを融合させた独特の質感と無機質で静謐な都市風景が生み出す独特の雰囲気がたまりません。

2.2 イノセンス

人とサイボーグ(機械化人間)、ロボット(人形)が共存する、2032年の日本。魂が希薄になった時代。ある日、少女型の愛玩用ロボットが暴走を起こし、所有者を惨殺する事件が発生。
「人間のために作られたはずのロボットがなぜ、人間を襲ったのか」。
さっそくバトーは、相棒のトグサと共に捜査に向かう。電脳ネットワークを駆使して、自分の「脳」を攻撃する“謎のハッカー”の妨害に苦しみながら、バトーは事件の真相に近づいていく。

イノセンスは攻殻機動隊の名は冠していませんが、直接の続編でバトーが主人公となっています。

中でも映像美が素晴らしく、半ばオーパーツともいえるかもしれません。

3.攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX(アニメ・神山健治)

3.1 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX

西暦2030年、日本。情報ネットワーク化が進む中、犯罪を一掃する攻性組織が設立された。内務省直属独立部隊、公安9課。
通称「攻殻機動隊」だ。彼らの任務は、電脳犯罪への対処、要人警護、政治家の汚職摘発など多岐に渡る。“少佐”と呼ばれるサイボーグ・草薙素子を中心に、9課はネットに潜む犯罪に立ち向かう!

「笑い男事件」という連続ハッキング事件を追うストーリーです。

“I thought what I'd do was, I'd pretend I was one of those deaf-mutes.”
(「僕がしようと思ったのは、聾唖者のふりをすることだった」)
J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』からの引用が多数あります。読んでおかないとストーリーがわからないということはありませんが、歴史的名著であり個人的にも好きなのでおすすめです。

3.2 攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG

前作「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」に続くシリーズ第2弾。
草薙素子を始めとする公安9課は犯罪の芽を探し出し、これを除去する攻性の組織である。
招慰難民や核を巡る政治的謀略に立ち向かう中で9課は新たな敵である内閣情報庁、そして「個別の11人」と名乗るテロリストと対峙することになる。

2ndは「個別の11人」と名乗るテロリストを追うストーリーです。

sacは個人的には本筋のストーリーよりも、タチコマが自我を得ていくサイドストーリーが本筋だと思っています。2ndの最後の方のタチコマ活躍シーンは本当に感動するので、それを見るためだけでも2シーズン見る価値があると思います。押井版はタチコマが全然描かれないので、新アニメでは登場してほしいなー。

3.3 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

TVシリーズ2作に続き制作されたスペシャル版。公安9課から草薙が去り、2年が経った2034年。
トグサが組織を率いる立場となった新生公安9課に、次々と難事件が襲いかかる。捜査の結果、一連の事件を背後で操る存在が「傀儡廻」と呼ばれる超ウィザード級ハッカーだと判明。
そんな中、バトーは草薙に再会して…。

「傀儡廻(くぐつまわし)」、そして“ソリッド・ステート・ソサエティ”と呼ばれる正体不明の意思を追うストーリーです。

普通に面白かったような気がしますが、正直あまり印象がありません。

3.4 攻殻機動隊 SAC_2045

2045年。全ての国家を震撼させる経済災害「全世界同時デフォルト」の発生と、AIの爆発的な進化により、世界は計画的且つ持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー”へと突入した。だが人々が、AIによる人類滅亡への危機を日常レベルで実感できるまでには衰退の進んでいない近未来--。内戦・紛争を渡り歩き、廃墟が横たわるアメリカ大陸西海岸において、傭兵部隊として腕を奮っている全身義体のサイボーグ・草薙素子とバトーたち元・公安9課のメンバー。電脳犯罪やテロに対する攻性の組織に所属し、卓越した電脳・戦闘スキルを誇っていた彼女らにとって、この時代はまさにこの世の春である。そんな草薙率いる部隊の前に、“ポスト・ヒューマン”と呼ばれる驚異的な知能と身体能力を持つ存在が突如として現れる。彼らは如何にして生まれ、その目的とは。大国間の謀略渦巻くなか、いま再び“攻殻機動隊”が組織される--。

Netflixで2020年に配信されました。シリーズ初の3DCGアニメーションです。

アニメ1シーズンか総集編2本「持続可能戦争」と「最後の人間」があります。みるのはどっちでもいいと思います。

現実世界の技術の発展を受けて、サステナブルやドローン、AIなどの流行に沿ったストーリー展開がなされています。

作中では1984についての言及もあるので、読むとより一層楽しめると思います。

4.攻殻機動隊 ARISE(アニメ・黄瀬和哉)

A.D.2027。公安捜査の権謀術数に限界を覚える荒巻の前に現れた女、陸軍『501機関』所属・草薙素子三佐。
最高度のフィジカルと電脳戦スキルを備える一方、向こうみずで世慣れぬ未熟さをあわせ持つ草薙は、荒巻と不即不離の関係をたもちつつ、次々と犯罪へと対処する。
だがそれは、501機関との関係を問い直すことでもあった。困難な事件に立ち向かう中、個性的な人的資源と気脈を通じる草薙。荒巻といつしか共有していた目的である『犯罪に対し常に攻性の精鋭実力部隊』創設へ向け、草薙は彼らを糾合してゆくこととなる

ariseは主人公・草薙素子の前日譚を描いた作品です。

正直まだ見てないです。

5.攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL(新アニメ)

アニメーション制作はサイエンスSARUで監督はモコちゃんです。

脚本は作家の円城塔さんです。

2026年に放映予定です。楽しみ!

6.その他

他にもルバート・サンダース監督の実写版とかもあります。

ネットの評価

個人的に80年代後半〜90年代後半アニメの中でAKIRAとGHOST IN THESHELL/攻殻機動隊は別格だと思っています。
何度も観ても古臭さを感じさせないエポック作品です
今見ても、何度見ても色褪せない、歴史に残る作品。

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