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[王立宇宙軍オネアミスの翼]異世界で宇宙を目指す男たちの熱意


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アニメ史に残る伝説的作品『王立宇宙軍 オネアミスの翼』。
1987年に公開されたこの映画は、庵野秀明や山賀博之、貞本義行ら若き日のガイナックスメンバーが手がけた劇場アニメの初陣でありながら、緻密な世界観構築と人間ドラマ、そして圧巻の映像表現で現在も語り継がれる名作です。

本記事では、この作品がなぜ今なお根強いファンを持ち続けているのか――
「他のどのSFアニメとも違う」と言われるその魅力を、4つの視点からわかりやすくご紹介します。

「こんな映画が30年以上も前に作られていたのか」と、きっとあなたも驚くはずです。

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あらすじ

シロツク゛・ラータ゛ット。彼は戦わない軍隊、「王立宇宙軍」の兵士。
この30年の歴史を誇る宇宙軍も政府には見放され、今じゃ人間どころか人工衛星すら満足にあげられない。いつの間にやら、宇宙への夢も遠ざかり訓練もさぼり放題のシロツク゛。そんなある日、街で神の教えを説くふしぎな少女リイクニに出会ったことでシロツク゛の運命は変わってしまった。シロツク゛は仲間の兵士の反対にもめげず宇宙ハ゜イロットに志願してしまったのである。
かくして「王立宇宙軍」の威信と名誉挽回の宇宙飛行計画が開始された…。

作品のおすすめポイント

① 緻密すぎる世界観とリアリティの構築

本作を一言で表せば、「圧倒的世界観への執念」。
登場する街並みや建築、文字体系、通貨、宗教観に至るまで、すべてが現実にありそうで存在しない異文明として描かれています。本作の舞台となる国やその社会構造は、現実のどの国家にも似ていないのに、妙にリアル。たとえば、電車のつり革や服の布地、家具のデザイン一つ一つに「この文明の人々の価値観」や「経済水準」が見えてくるのです。

この緻密な“世界の作り込み”については、企画を担当した岡田斗司夫さんが自ら解説されているインタビューや講演もあり、「どうやって一から文明をデザインしたのか」が語られています。SFというより、文化人類学的視点で観ても面白い稀有な作品。
まるで“異世界ドキュメンタリー”を体験しているかのような没入感が味わえます。

② 宇宙にかけるエンジニアの熱意

この映画は一見すると、落ちこぼれ青年・シロツグが宇宙を目指して成長する物語に見えます。ですが、観終わった後に胸に残るのは、脇を固める科学者やエンジニアたちの情熱ではないでしょうか。

老練な博士たちや無骨な技術者たちは、国家の予算や市民の冷笑に晒されながらも、「宇宙へ行く」というたった一つの夢のために人生を賭けています。彼らの姿はまるで、戦後日本の高度経済成長期を支えた技術者たちのようでもあり、今の時代だからこそ逆に刺さる「理想に燃える大人たちの姿」がここにあります。

彼らは決して主役ではありません。しかし、その目の奥に宿る情熱こそが、物語の最深部を支えているといえるのです。

③ 庵野秀明や山賀博之など、若き才能の結晶

『王立宇宙軍』は、その完成度の高さに反して、当時のアニメ業界では異例の“新人だけで作られた劇場作品”でした。手がけたのは、後に『新世紀エヴァンゲリオン』で一世を風靡することになる庵野秀明や山賀博之、前田真宏、貞本義行らガイナックスの若手メンバー

なかでも圧巻なのは、庵野秀明が担当したロケット打ち上げシーン。煙の動き、機械の振動、重力との戦い――それらが一切のセリフを超えて「人間が空を超える瞬間の美しさ」を描き出しています。まさにアニメーションでしか表現できない奇跡の瞬間。

当時20代前半だった彼らの、「これまでのアニメを変えてやる」という気概がすべてのカットからにじみ出ている。その情熱は、観る者にもしっかり伝わります。

④ 坂本龍一による“祈り”のような音楽

『王立宇宙軍』のもう一つの大きな魅力が、音楽監督・坂本龍一による圧倒的な音楽世界です。打ち上げシーンの壮大なスコアや、静かに心を揺さぶる劇伴は、本作の感情の流れを支え、セリフ以上に観客の心に語りかけてきます。

坂本氏はこの作品のために、従来のアニメ音楽とは一線を画した、クラシックと現代音楽を融合したサウンドスケープを作り上げました。人工的で無機質な宇宙開発というテーマを、人間の営みとして温かく包み込むような音楽が重なり、作品全体に“祈り”にも似た静かな崇高さを与えています。

特にラストの演説から宇宙へ旅立つシーンの音楽は、「神聖」「荘厳」「希望」など、複雑な感情を一つに束ねるような力を持ち、**“音楽がドラマそのものになる瞬間”**として、多くのファンの記憶に刻まれています。

作品概要

  • タイトル:王立宇宙軍 オネアミスの翼
  • 英題:Royal Space Force: The Wings of Honnêamise
  • 公開日:1987年3月14日(日本)
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:SFアニメーション
  • 製作国:日本
  • 配給:東宝東和(日本)、Tara Releasing(米国)
  • 制作会社:GAINAX(ガイナックス)
  • 製作:バンダイ

ネットの評価

何が凄いって、この頃は手書きでこの映像クオリティーなのだよね!考えてみれば、あの時代 日本のアニメの技術は世界一って評価されていたのも納得出来ました!
1987年に無名だった若者たちだけで、ここまでのアニメーション映画を作れるのかと驚いた。キャラやストーリーに特筆すべき点はないが、アニメーションだけで観れる映画を作ってしまったその凄まじい情熱を感じられる稀有な映画。
人生って思う様にはならないけれど、頑張って努力をするとたまには大きな成功もある、って話ですよね。女の力は偉大だなー。

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