>
ホーム » 作品 » [神の目の小さな塵]絶版で高額、だけど面白いSF小説

[神の目の小さな塵]絶版で高額、だけど面白いSF小説


本文中にアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。
表示が乱れた場合は再ロードをお試しください。

神の目の小さな塵という絶版SF小説を手に入れたのであらすじや魅力などを紹介します。

神の目の小さな塵のポイント

My Score

知名度

分かりやすさ

科学性

知名度としてはそこまで高くないですが、絶版かつ高額でフリマなどで販売されていることから、読みたいけど読めない人も多い作品かと思います。

文章の読みやすさやストーリは非常に分かりやすいです。たまに絶版小説を読むとあまりなじみのない言葉や今では書いてはいけないような単語のオンパレードだったりするのですが、この作品はそんなことはありませんでした。

ただところどころ、呼び方がファーストネームだったりラストネームだったり人によって呼び方が変わるのでややこしいところはありました。しかし、最初のページに人物表があるので大丈夫なはずです。

科学性については、どちらかというとハードSFよりかなと感じましたが、特に科学の知識がないとわからないということはありませんでした。

神の目の小さな塵とは?

神の目の小さな塵は1975年に出版されたSF小説です。

日本では創元推理文庫から上下2巻で出版されました。

大まかな分類では人類と異星人の出会いを描いたファーストコンタクト小説です。

ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネルの合作コンビの記念すべき第一作であり、「おそらくわたしがこれまでに読んだ最高のサイエンス・フィクション」とSF御三家ともいわれるロバート・ハインラインが激賞したことで知られています。

続編として神の目の凱歌 があります。

作者1(ラリー・ニーブン)

一人目の作者はラリー・ニーブンという男性です。

1938年のアメリカ生まれで、カリフォルニア大学で数学を学んだようです。

小説だけでなくスタートレックなどのテレビ番組の脚本なども手掛けていたようです。

他の作品としてはヒューゴ―賞、ローカス賞、ネビュラ賞を受賞じた「リングワールド」という作品があります。

作者2(ジェリー・ニーブン)

二人目の作者はジェリー・ニーブンという男性です。

1933年生まれのアメリカ出身でワシントン大学で心理学と政治学の博士を得ているようです。

あらすじ

時は三〇一七年。人類は銀河系の隅々にまで支配の手をのばし、統一と戦闘とを繰返していた。帝国宇宙海軍の巡洋艦〈マッカーサー〉号で反乱軍の宇宙船との交戦から帰還したロデリック・ブレイン中佐は提督から艦長への昇進を言い渡され、艦の修理が終わりしだい首都星まで航行する任務に当たることになった。 ある日のこと、正体不明の宇宙船が〈マッカーサー〉号の前に現われ、人類に接触を求めてきた。果して彼らの目的は何か……? 「おそらくわたしがこれまでに読んだ最高のサイエンス・フィクション」とロバート・ハインラインが激賞し、現代アメリカSF界の話題を独占した超大作。ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネルの合作コンビの記念すべき第一作。

主人公は宇宙船の艦長であるロデリック・ブレイン艦長です。物語は主人公が艦長に昇進することから始まります。

色々あって豪商であるホレス・フセイン・ベリーという男とファウラーという人類学博士課程の女性をのせて航行することになります。

その最中に正体不明の宇宙船と出会い、その宇宙船が発射された方向にある惑星に向かうことになります。

そこで体が左右非対処な宇宙人である「モート人」と出会うことになります。

モート人に対して地球の技術を盗まれないようにしつつ、交友関係を結ぼうとしますが、モート人もなにやら隠し事があるような微妙な関係のまま物語は展開します。

また、モート人だけでなく豪商ベリーのたくらみや博士、他の艦長クトゥーゾク中将との人間関係も描かれます。

物語の終盤には、モート人の歴史や謎の人物「クレイジー・エディ」の秘密が明かされることになります。

名言

自分が印象に残った文章をネタバレしない程度に4つ選んでみました。

  • 信者の話ではある時。あの<神の顔>が眠りから覚めたんだ、というんですよ。
  • 二年以内にモート人の艦隊は宇宙帝国軍の総力に匹敵するものとなる可能性があります。
  • 王様が死ぬかもしれないし、馬が死ぬかもしれない。おれが死ぬかもしれない。あるいは、馬が歌うことを覚えるかもしれない。
  • そう、クレイジー・エディの解答よ。他に考えようがあって?何はともあれ、これで周期は閉じるのよ。クレイジー・エディはついに輪廻から脱出したのよ。

感想

感想としては間違いなく面白かったが………という感じです。

どういうことかというと面白かったが、もっと面白くなりそうな展開で予想よりも面白くならなかったという感じでした。

例えば士官候補生3人が不時着したシーン。ネタバレにならないように説明するのは難しいですが、もっとどうにかなった感じがありました。(じゃあ、お前が書けと言われたら無理ですが……。)

あと主人公のブレイン艦長に対する制裁が弱いように感じました。

もともと艦長兼貴族、それも惑星が購入できるぐらいという金持ちキャラを謎に兼任しているのですが、戦って損害を出したのにほぼほぼお咎めないどころか、(ネタバレ)になっていてなんかチートキャラみたいな様相になっていたのが気になりました。

とはいっても、モート星人の歴史の謎やクレイジーエディの出現などはとても面白い展開で、ハイラインが絶賛しただけはあるなという感じでした。

なんと続編もあるようなのでそのうちに読んでみたいと思います。

高いのであまり読むのは難しいと思いますが、図書館や古本屋で見つけた方は是非読んでみてください。

ネットの評価

しっかりした筋立て。 なによりもSFらしい「センスオブワンンダー」満載の内容で、この作品を読んで満足しない人はいないでしょう。 一生手元に置いておき、ときどき読みたい傑作である。
理想的なSF。文章は読みやすい。退屈しない。途中から展開が気になり最後まで一気に読めた。登場人物は多いが最初は三人くらい覚えておけばついていける。
モート人はすべてのSFのなかでも最も異質さを感じさせるエイリアンの一つである。それはやはり、二人の著者によって創作過程で相互に検討し調整し、修正し改定されて、単一著者ではできない異質さを創造過程で経過したからだろう。異星人の創造は、複数の著者にとってはそれ自体が異質な世界観を持つ二つの世界の接触といえう、ファーストコンタクトの模擬訓練ではなかっただろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です