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【四畳半神話大系】大学生におすすめの小説|迷える青春を描いた森見登美彦の傑作


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大学生活をやり直せたら──そんな妄想、誰しも一度はしたことがあるのではないでしょうか。
『四畳半神話大系』は、冴えない大学生の“選ばなかった人生”を、ユーモアとペーソスたっぷりに描いた青春ループ小説。
京都を舞台に繰り返される「もしもあのサークルを選んでいたら」の世界は、滑稽で少し切なく、読むたびに心に刺さります。
本記事では、森見登美彦が描く“迷走する若者の四畳半的宇宙”の魅力をたっぷりご紹介します。

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分かりやすさ

文学性

あらすじ

私は冴えない大学3回生。
バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。
できれば1回生に戻ってやり直したい! 4つの並行世界で繰り広げられる、おかしくもほろ苦い青春ストーリー。

四畳半神話体系の舞台は京都の大学です。

そこで「私」が明石さんと出会い、小津という男に振り回されるというストーリーです。

典型的な理系男子の「私」が明石さんにアプローチする姿に勇気を貰えるストーリーです。

📘 作品データ:『四畳半神話大系』

項目内容
出版年2004年(初出は2004年『四畳半神話大系』、2005年に角川文庫版として出版)
出版社太田出版(のちに角川書店/角川文庫)
大まかな分類現代日本文学、青春小説、幻想文学、ユーモア小説
山本周五郎賞候補(2005年)
評価・影響森見作品の代表作の一つ。
学生生活の無限ループ構造や、京大文化の風刺が高評価。
映像化2010年にフジテレビ“ノイタミナ”枠でTVアニメ化(監督:湯浅政明、制作:マッドハウス)
アニメは文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞

✍️ 作者データ:森見登美彦(もりみ とみひこ)

森見先生の文章の特徴は非常に読みやすいことにあると思います。

四畳半神話体系だけでなく、ペンギンハイウェイや夜は短し歩けよ乙女など映像化もバンバンされている非常に実力のある作家です。

作風としてはやわらかい登場人物や世界なので、小学生・中学生から楽しめる作品ばかりです。

項目内容
出生地・年奈良県生駒市、1979年生まれ
代表作・他の作品『夜は短し歩けよ乙女』、『有頂天家族』、『太陽の塔』、『ペンギン・ハイウェイ』など
受賞歴第15回日本ファンタジーノベル大賞(『太陽の塔』)
第6回本屋大賞2位(『夜は短し歩けよ乙女』)
第40回日本SF大賞(『熱帯』)

アニメ版

私個人としては、アニメ版が非常に好きです。

特筆すべきことと言えば、監督が『ピンポン』や『クレヨンしんちゃん』でお馴染みの湯浅監督であることや『sunny boy』の夏目監督が参加されていることです。

キャラクターデザインの中村佑介さんも展覧会に行くくらい好きです。

項目内容
放送年2010年4月〜7月(全11話)
放送局フジテレビ「ノイタミナ」枠
原作森見登美彦『四畳半神話大系』(太田出版)
監督湯浅政明(代表作:『マインド・ゲーム』『ピンポン THE ANIMATION』など)
脚本上田誠(ヨーロッパ企画、舞台作家・脚本家)
アニメ制作マッドハウス(Madhouse)
音楽大島ミチル
主題歌OP:アジアン・カンフー・ジェネレーション「迷子犬と雨のビート」
受賞歴第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門・優秀賞(2010年)

アニメと小説の違い

小説版は以下のように4話のストーリーになっています。

第一話 四畳半恋ノ邪魔者
第二話四畳半自虐的代理代理戦争
第三話四畳半の甘い生活
第四話八十日間四畳半一周

アニメは11話で再編成されています。

第一話テニスサークル「キューピット」
第二話映画サークル「みそぎ」
第三話サイクリング同好会「ソレイユ」
第四話弟子求ム
第五話ソフトボールサークル「ほんわか」
第六話英会話サークル「ジョイングリッシュ」
第七話サークル「ヒーローショー同好会」
第八話読書サークル「SEA」
第九話秘密機関「福猫飯店」
第十話四畳半主義者
第十一話四畳半紀の終わり

特典として、以下の3話もあります。

たぶん本編とは全くかかわりのないので見なくても大丈夫です。

地面潜航艇、南極へ

「地面潜航挺、女湯へ」~閨房調査団桃色探索~

恋と釣りの地面潜航艇

アニメと小説どっちがおすすめ?

個人的にはアニメがおすすめです。

話数が多いこともあって、最後の展開が非常にきれいにまとまっているように思えます。

同じ舞台の「夜は短し歩けよ乙女」の方は小説がおすすめです。

続編の「四畳半タイムマシンブルース」 

あらすじ

8月12日、クーラーのリモコンが壊れて絶望していた「私」の目の前にタイムマシンが現れた。
後輩の明石さんたちと涼しさを取り戻す計画を立て、悪友どもを昨日へ送り出したところでふと気づく。
過去を改変したら、この世界は消滅してしまうのでは……!? 辻褄合わせに奔走する彼らは宇宙を救えるのか。そして「私」のひそかな恋の行方は。
小説『四畳半神話大系』と舞台「サマータイムマシン・ブルース」の奇跡のコラボが実現!

この作品は四畳半神話体系のアニメで脚本を手懸けた上田誠さんの戯曲『サマータイムマシンブルース』とのコラボレーション作品となっています。

クーラーのリモコンをとりもどすためのにタイムマシンを使うというバカバカしさが魅力の作品です。 

同じ舞台の「夜は短し歩けよ乙女」

あらすじ

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。
けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。
山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!

こちらは登場人物として、樋口清太郎と羽貫さんが登場するだけ、舞台が同じ作品であり、直接的な関係はないストーリーです。

📘 小説『夜は短し歩けよ乙女』データ

項目内容
出版年2006年(角川書店)、2008年(角川文庫)
出版社角川書店(のち角川文庫)
大まかな分類現代日本文学、青春・恋愛・幻想小説
第20回山本周五郎賞(2007年)
第6回本屋大賞・第2位(2009年)
映像化2017年にアニメ映画化

🎬 アニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』データ

項目内容
公開年2017年4月7日
監督湯浅政明
脚本上田誠(ヨーロッパ企画)
制作サイエンスSARU
音楽大島ミチル
声の出演星野源(先輩)、花澤香菜(乙女)、神谷浩史(学園祭事務局長)ほか
受賞歴第41回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞(2018年)

主人公が星野源さんが務めています。後に黒髪の乙女のような人と結婚しているのがずるいですよね。

作品のおすすめポイント名言

自分が印象に残った文章をネタバレしない程度に5つ選んでみました。

・好機はいつでも貴方の目の前にぶら下がってございます。好機はいつでも貴方の目の前にぶら下がってございます。

・可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である

・我々の大方の苦悩は、あり得べき別の人生を夢想することから始まる。自分の可能性という当てにならないものに望みを託すことが諸悪の根元だ。今ここにある君以外、ほかの何者にもなれない自分を認めなくてはいけない。

・責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか、

・明石さん、ラーメンを食べに行きませんか

ネットの評価

何となく自分自身の不毛だった学生時代と重なる部分があり読み進んでしまった。過去にあったであろう様々な人生の選択の岐路について独創的な観点で描写されている世界観はまさに森見ワールドの真骨頂である。おすすめです。
「もしあのとき違う選択をしていたら?」 そんな"ifの世界"を、これほどまでに軽妙でユーモラスに描いた作品があるだろうか。
文体のテンポが良くてするする読める。

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