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[青い春]個人的邦画No.1作品、展開の読めなさと青春の暗さが最高


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青春映画といえば、明るく爽やかなイメージを抱く人も多いでしょう。
しかし、豊田利晃監督の『青い春』はその真逆――暴力や孤独、不安定な心情に満ちた“暗い青春”を描いた異色作です。松本大洋の原作短編をベースに、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの音楽が鳴り響く映像は、観る人の胸に強烈な印象を刻み込みます。

先が読めない展開と、どうしようもなく不器用な若者たちの姿は、誰もが心の奥に抱える「青春の影」を思い出させるはず。
本記事では、筆者が「邦画No.1」と推すこの作品の魅力をあらためて紹介します。

あらすじ

男子校卒業式の風景を屋上から眺めるのは、新学期から3年生になる九條、九條の幼なじみ青木、眼鏡の雪男たち。屋上には、もっと空に近い場所――最屋上があり、その壁面には「しあわせなら手をたたこう」と大きな落書き。
そこで彼らが楽しむのは、柵の外に立ち手をたたく回数を競う通称”ベランダゲーム”。
九條はそのゲームで学校を仕切ることが決まった。
新学期が始まった。それは、進学、就職……突きつけられる現実の中で、自分の行き場を探すことを余儀なくされる時の始まりでもあった。
ある者は、警察官と教師に抱えられ、泣き叫びながらパトカーに乗せられていく。ある者は、甲子園への思いを縫い込んだ学ランを投げ捨てて、ヤクザとなった先輩と共に黒塗りの高級車に乗り込んでいく。そしてある者は、自分への答をみつけるために、ひとり最屋上へと上っていった……。

柵の外に立ち手をたたく回数を競う通称”ベランダゲーム”。
九條はそのゲームで学校を仕切ることが決まった。

九条の親友の青木は、九条を番長として支えようとするが、九条はそれに興味がない。

二人は次第に対立することとなる。

サブストーリーとして、九条の友人たちの苦悩や葛藤、進路などが描かれる。

作品のおすすめポイント

松本大洋が原作

原作は『ピンポン』や『鉄コン筋クリート』で有名な松本大洋の短編が原作です。

本筋は同名の短編集『青い春』の「しあわせならてをたたこう」をベースとしていますが、他のエピソードも含めて群像劇として展開されます。

具体的には「夏でポン」や「ピース」などです。

特に「ピース」は映画でも原作でもとてもインパクトがあります。ショッキングです。

原作の短編集はどれも暴力的でナンセンスな感じでとても面白いです。

ミッシェルガンエレファントの音楽が最高

冒頭からTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの音楽とともに展開していきます。

劇中使用曲としては

  • 赤毛のケリー 
  • モナリザ 
  • ブギー 
  • ドロップ 

が使用されています。どの曲も素晴らしいことは当然として、劇中の雰囲気ととてもあっていて最高です。

青春の暗さが漂う群像劇

なんといっても青春の暗さが漂うところがこの作品の一番の魅力です。

全体的に少し青みがかった画面と少し画質が悪い映像から出る雰囲気が最高です。

あまり楽しくない学校時代を過ごした人には非常に雰囲気が楽しめると思います。

星新一の名言にも以下のようなものがあります。

青春とはもともと暗く不器用なもので、明るくかっこよくスイスイしたものは、商業主義が作り上げた虚像にすぎない

作品の印象的なシーンもあって、その中の一つがタバコとタバコで火をつける「スモーキーキス」

青木の最後のシーンも印象的。

オチが読めない展開

冒頭から不穏な雰囲気ではありますが、登場人物たちのネジが外れていてどうなるかという展開が予測できませんでした。

この予測できなさも、青春時代の不安さや勢いを象徴している感じがしてとてもいいです。

不良だから、頭が悪いからとか関係なしに、どうでもいいことに命を懸けてしまう、命を懸けることができてしまうということの共感性がすごい高いし、このことを表現できている作品は非常に貴重だと思います。

この作品を初めて見たとき感動し過ぎて、友達におすすめしまくったのですが誰も見てくれなかったのもいい思い出です。

青い春の作品情報

公開情報

2001年製作/83分/日本
配給:ゼアリズエンタープライズ
劇場公開日:2002年6月29日

監督:豊田利晃

1969年、大阪府生まれ。将棋のプロ棋士を志し、9歳で関西奨励会に入会するも、17歳で退会。

その後、鉄工所勤務やフリーライターを経て、21歳で映画界へ。初脚本『王手』(1991)が即採用され、脚本家としてのキャリアがスタート

映画『火花』の脚本なども務められているのですね。

キャスト

やはり主人公の松田龍平さんがかっこいいですね。

最初は気付かなかったのですが、ピースの又吉さんも出演されているのですね。

九條(松田龍平)
青木(新井浩文)
雪男(高岡蒼佑(現高岡奏輔))
木村(大柴裕介)
大田(山崎裕太)
吉村(忍成修吾)
江上(コンマニセンチ・竹永善隆)
堀(仲島武士)
オバケ(EITA(現永山瑛太))
野球部の1年(塚本高史)
レオ(山中零)
タロウ(鈴木圭)
セブン(三浦アキフミ)
鈴木(鬼丸)
他校の番長(渋川清彦)
水口(KENTA)
花田先生(マメ山田)
さぼーる(おばちゃん)(小泉今日子)
シンナー中毒の学生(線香花火(現ピース)・又吉直樹)
馬場(コンマニセンチ・堀内貴司)
お礼参りする学生(佐久間一行)

原作:青い春

作者:松本大洋

ネットの評価

ミッシェルガンエレファントの音と 映画内容がきっちりはまっていた。
。最後の最後まで青木は九条に応答を求め、ようやく気づいたころには遅かった。ほんとうに悲しくて仕方ない。無視してたわけじゃないんだけどな。
松田龍平が好きで見ましたが、これは新井浩文の映画ですね。まだ無名に近い彼が圧倒的な存在感と豹変ぶりを演じています。

まとめ

『青い春』は、ただの不良映画でも、単なる青春映画でもありません。
松本大洋の原作が持つ暴力性とナンセンスさを土台に、豊田利晃監督が映像化したことで、独特の「青春の暗さ」を描き切っています。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの音楽が流れる映像は、当時の時代感覚と混ざり合い、観る人の記憶に強烈に残るでしょう。

展開は予測不能で、笑える場面よりも胸に重く響く場面の方が多いですが、それこそが青春の本質をとらえているのだと思います。星新一の言葉にもあるように、青春は本来「暗く、不器用なもの」であり、それを真っ直ぐに突きつける作品だからこそ、観た人の心に深く残るのではないでしょうか。

ショッキングな場面も多いので気軽に勧めづらい映画かもしれませんが、だからこそ「心に残る邦画」を探している人にとっては唯一無二の作品です。まだ観ていない人には、ぜひ一度体験してほしい邦画の傑作です。

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