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勉強に使える情報カードの使い方


あまり耳にしたことがない人も多いであろうこの道具の使い方について紹介します。今回は主に紙のものを紹介しています。今回の記事は、本やネットの情報に加え、自分の経験の主観が多く含まれていることをご留意ください。

evernoteやobsidianなどのデジタルツールを利用した方法もあるようなので、デジタル派の人はそちらも調べてみてください。特にアナログが勝っているという結論には至りません。完全な趣味です。

検索される率が高いので、定期的に追記していきます。

なぜカードか

一般的に勉強や研究で使用されるのは、普通のノートやルーズリーフです。学校教育で「カード」を利用して勉強するということは習ってこなかったと思います。

自分なりに使う意義について考えてみました。

規格化

一つの理由としては規格化があげられます。

長い期間勉強や研究をしていくとノートの使う種類が変わってしまったり、保存してあるソフトウェアまで変わってしまうということがよくあると思います。そして、使いたいときに使いたい情報がどこにあるかわからなくなってしまいます。

そこで、カードとして同じ形式に保存するというルールを決めれば、二度手間になるかもしれませんが、情報がわからなくなるということはなくなりますし、どんな媒体であろうとも「情報」として保存できます。

情報の蓄積の可視化

二つ目の理由としては情報の蓄積の可視化があげられます。

単純にこれだけの情報を集めたという証拠が枚数として可視化できます。

これは、勉強や研究のモチベーションになるだけではなく、何枚集められたかという定性的なデータにしてしまうことで、自分の弱い分野や得意な分野を見つけ出すことができます。

情報の繋がり

三つ目の理由として、情報の繋がりがあげられます。

勉強や研究、趣味など全般に言えることですが、突き詰めれば他の分野に片足を突っ込むことになります。

例えば、最新のロボットや機械の構造には、生物の体の構造を模しているなどという話を聞いたことある人も多いのではないでしょうか。

多くの本は、一分野について網羅的に書かれています。

だから、機械の本から得た知識をノートにメモし、生物の本から得た知識を別のノートにメモしたとします。

すると、その時はいいのですが、後から見たときに具体的にどの部分とどの部分が結びついているのかわからなくなってしまうこともあると思います。

そのようなことをなくすためにカードにリンクする内容をメモすることで、あとから見たときの検索性を良くします。

さらに、後から復習などもカードの順番をたどることで分かりやすくなります。

情報のリンクについては『アイデアのつくり方』という書籍でカードの利用が勧められています。

アイデアの発想法についてまとめた記事があるのでそちらも興味があればご覧ください。

頭の整理

情報をスクラップするや見やすくすることで情報が整理できることはもちろんですが、自分で「まとめる」という作業を経ることで、理解が深まったり、記憶に定着しやすくなりますという研究をニュースか本か何かで見ました)。

情報カードとは

京大型カード以前の日本における情報カードとしては、輸入品ではあったが明治時代から存在していた。ただし、使用されたサイズとしては、5×3インチのもの、大学や研究所で使われた6×4インチ・8×5インチのものが中心であったという。

情報カードは元々研究者などがメモや論文執筆の準備などの情報整理に用いていたが、梅棹忠夫が著書『知的生産の技術』で紹介して以来、研究者以外にも使用する人が現れるようになった。

どんなサイズのカードが、研究開発の手助けとしてベストかというのは、梅棹のアイディアである。

京大式カード - Wikipedia

一番有名な使われ方がこの京大式カードでしょう。京大式カードは情報カードの名称の一種で特にB6サイズのものを指す場合が多いです。

インデックスカードとは

インデックスカードとは、海外での情報カードの呼ばれ方です。多くの場合3インチ×5インチの大きさを指す場合が多いです。

使い方やバインダーなどのグッズもインデックスカードなどで検索した方が情報が多いので、より詳しく知りたい方はそちらで検索してみると面白いです。

インデックスカードは「ロリータ」などの小説作品で知られるナボコフが、執筆時に使用していたといいます。

ツェッテルカステンとは

ツェッテルカステンとはニクラス・ルーマンというドイツの社会学者が編み出したメモの方法です。特筆すべきことは、人生で90000枚のェッテルカステンを作成、70冊以上の本と、400近くの学術論文のを書き上げています。

使用した紙はインデックスカードと呼ばれる、5×3サイズの紙です(ほかのサイズもあります)。

ポイント!

・日本ではB6サイズの紙を利用した京大式カードが有名

・海外では3インチ×5インチのインデックスカードが主流

・ツェッテルカステンはメモの方法

情報カードの大きさ比較

画像を見ていただければわかる通り、B6の京大式カードは文庫本よりも大きいのでカードというには大きすぎる気もします。

学生時代使用していたルーズリーフの半分の大きさです。

なんでも同じ形式でメモをするということを一番に作られたので、この大きさがあればすべてに対応できます。

対して、インデックスカードは数式や図を書きたい人にとってはスペースが物足りないかもしれません。

簡単なアイデアのメモならこちらで十分かもしれません。

「カード」として利用するにはこちらの方がいいでしょう。

主に3×5のカードを指していますが4×6など一回り大きいものも存在します。自分に適したものを探してみてください。

こればかりは使ってみないと自分がどちらがいいかはわからないので、買うかコピー用紙を切って数枚書いてみることをお勧めします。

ポイント!

・カードとして使うなら3×5カード

・図や切り抜きも集めたい場合はB6

・ほかにもいろいろな大きさがある

100円ショップやダイソーにも

100円ショップやダイソーにもおいているらしいです。

情報カード(91mm×55mm、無地、160枚) - ダイソーネットストア【公式】 (daisonet.com)

ただ、あまり需要がないので、店舗によってはおいていないところもありました。

あと、紙質についてもコクヨの方がしっかりしている印象があります。

これはあくまで私のこだわりなので、一概にダメなわけではありません。

途中で紙質が変わるとうざいので、使う方はまとめ買いするといいかもしれません。

ただ、始めて実践する方で合わない人もいると思うので買いすぎには気を付けてください。

京大式カードのやり方

具体的な情報カードの使い方を説明します。

これは以下の本を参考にしたので、さらに興味のある方は以下の本を参照してください。

一枚一テーマ

一枚に1テーマのみ書きます。

例え一行のみでも。

カードの書き方

まず、一番上にそのカードの題名を付けます。そのカードの要約とも言えます。

そして、本文を書きます。先ほど言ったように「一テーマ」のみです。

そして日付を書きます。

これだけです。

保存と整理

肝となるのが、保存と整理です。この二つができるということがカードの大きな利点になります。

自分の書いたカードとカードの間、知識と知識の間に新しい発見や考えがひらめいたらどんどん新しいカードに書いていきます。

知的生産の技術の梅棹先生は「分類法についてあまり神経質になる必要はない」と述べています。分類を重視するのではなく、意外なつながりを見つける事が一番大事だということでしょう。

ツェッテルカステンのやり方

ツェッテルカステンの使い方を説明します。

これは以下の本を参考にしたので、さらに興味のある方は以下の本を参照してください。

メモの分類

大きく分けて5つのメモに分かれます。

なんでもメモ

これは文字通りただのメモです。思いついたことなどを書き留めます。

これは別にカードでなくても、メモ帳やルーズリーフでもいいと思います。

文献メモ

新しい知識や気になる情報を得たら、購入せずとも後で振り返るため本のタイトルや出版社をメモします。

表面に本に書いてあることを自分の言葉で書きます。裏面にその本のタイトルや出版社、出版年などをメモします。

永久保存版

上のメモを用いて、自分の考えをまとめていきます。

ナンバーの振り方については下の方で説明を加えます。

索引のためのメモ

実践していくとわかるのですが、紙が増えるにつれどこにメモがあるのかわからなくなるので、マップのようなものを作成すると便利です。

プロジェクトのメモ

プロジェクトの概要やtodoリストを作成し、一つの場所に保管します。

これらのメモをどんどん増やしていくことになります。

ナンバーの振り方

カードの枚数が増えるとカードの管理が難しくなります。そこでカードにナンバーを振り管理します。

1.普通に番号をふります。

2.一番に関連することで後ろに番号が続いていいる場合、aという枝番号をふります。それに並列する形で番号を振りたい場合、b、c,と続けていきます。その後ろは普通に2,3,と続けていきます

3.以下も同様です

情報カードとツェッテルカステンの使い方の比較

ここまでで情報カードとツェッテルカステンの使い方の比較を行います。

両方とも一枚一テーマという点は同じなのですが、情報カードの使い方は何でもそのカードに書くということに対して、ツェッテルカステンは永久保存カードに書くために何種類かのカードを使い分けるということが違いかなと感じました。

ツェッテルカステンは海外発祥なので、私が集めた情報も二次情報が多く間違っていることも多いかもしれません。「なんでも一枚のカードに貯める」という情報カードの考え方と比べると少し使い方が複雑だと思います。

元も子もないこと言うと、自分の使いやすいようにルールを決めて情報を蓄積させていくことが大切かなと考えます。

映画監督StanleyKubrickの使い方

StanleyKubrick監督は「時計じかけのオレンジ」や「2001年宇宙の旅」で有名な映画監督です。

彼は「ナポレオン」という映画を撮るとき、情報収集のために利用したとされています。

その第一キューブリックは、自分が描く人物、出来事、科学現象について細部まで知り尽くすまで、目の前のテーマに没頭することに何年も費やし、彼はフランス皇帝の生涯の毎日にインデックスカードを作成し、メニューの選択に至るまで、彼の活動に関するメモを書き込んだ。「アナログのウィキペディアでした」と学芸員のデヤン・スディッチは言う。

サイズは3×5という情報と4×6という情報がありどちらかは確認できませんでした。博物館に展示されているみたいなので、時期が合えば行って確かめたいです。

小説家のナボコフの使い方

ナボコフはロリータという小説が有名な小説家です。

彼は最初の草稿を掛線の入ったインデックスカードに鉛筆で書き、それを細長いファイルボックスに入れていくという方法で作品を書いていたようです。

自分は小説の全体像を描いてから原稿を書きはじめる、この方法だと、順番を気にせずに好きなところから書いていくことができるし、カードを並べかえれば、すばやく段落や章や本全体を作りかえることができる。

自分なりのカードの使い方

色々な本やネットの記事を見て自分なりの使い方を紹介します。

結局自分の使いやすいように使うのが一番いいと思うので、参考になる部分があれば参考にしていただいて、意味わからなかったら無視してください。

大きさ

私は3×5のインデックスカードを利用しています。B6の情報カードも100枚程度試したのですが、少し大きいかなと思うことが多くありました。しかし、3×5では小さいと感じる事もあるので今後変更するかもしれません。

メモの種類

私は特に種類を分けておりません。

例えば、本やネットで使えるという情報があったら表面に、題名とその内容の要約を記します。裏面には日付、本やwebのurlなど後で情報源がわかるようにします。

授業や講演会、外でひらめいた時などは、普通にiPhoneにメモをするかノートなどにメモをし、家に帰ってから、カードに転記します。二度手間にはなりますが、復習にもなりますし、なにより外でカードを書くと知り合いなどに聞かれたときに説明するのが面倒なので外では使いません。

ナンバリング

1.ツェッテルカステンを参考に普通に数字を連ねていきます。

内容は一枚一テーマです。

この番号は特に意味を持ちません。一枚目だったら1、30枚目まっだら30といった風に通し番号です。

2.例えば50枚目に書いたものが35と関連する場合、50/35aと書きます(aはAfterの意)。その50に関連するカードが80枚目に出てきたら50aとかきます。もし50の前に置きたい場合は60/50bと書きます(bはBeforeの意)。

この図を書いていて思ったのですが、この図の場合36番のカードが35番に関連するわけではありません。単純に36番目に書いたカードということです。もし36番が35番の後ろにつけたいなら36/35aという風に付け足します。

なぜ変えたのか

これはやってみた感覚というしかありません。

ただツェッテルカステンの番号の振り方だと自分的によくわからないというのと、モチベーションとして自分がいま何枚のカードを集めたのかということを知りたかったので通し番号式にしてみました。

しかし、私はまだ数百枚しか書いていないのでこのやり方だといつか破綻する可能性もあります。そしたらそのとき考えます。

皆さんもとりあえず100枚チャレンジしてみることをお勧めします。(極論ノートで十分ということもあり得る。趣味の問題か………)

収納

いい収納方法が思いつかないので3Dプリンターで棚を制作し、保管しています。小さなまとまりはクリップでとめてあります。

情報カード 収納

今後の課題

枚数が増えると検索性が悪くなります。それを解消する方法を探しています。いい方法を知っている方がいたらコメントで教えてください。

今回は以下の本を参考にしました。詳しく知りたい方はぜひお読みください!

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