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[恐怖の日常]村田基さんのホラーSF短編集


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村田基さんの恐怖の日常のレビューをします。

あまりホラーは読まないのですが、不気味でなかなか面白い短編が多かったため楽しく読めました。

あらすじ

ひどくむしゃくしゃする。不愉快な感情が体の中を駆けめぐる。全身に毒素が回り、内臓が焼けただれていくようだ。吐き気がする。もうがまんできない。ぼくはどうなっていくのだろう。これもみんな黒い雲のせいだ……。さりげない日常や家族の団欒の裏側に潜む、真の恐怖を描いた表題作など、不安な現代を生きる病める精神たちの相貌が、ホラー小説の姿をとって描かれる。モダンホラー短篇集の名作。

9つの短編で成り立っています。

山の家

宅浪で山の家に母と二人で住んでいる主人公。

いつものように勉強しながら、母の帰りを待っていると、知らない男と女が銃を持って忍び込む。

彼らは革命派だという。

話がかみ合わない主人公と男たち。

それは母親が秘密を抱えているせいだった。

産業カウンセラーである主人公。

あるとき、大手企業に勤めている社員のカウンセリングを担当することになった。

彼は、窓の外に見える世界は別の世界であり、自分は本当はむこう側の世界で生まれるはずだったという。

主人公はプライドをかけて、彼の妄想を治療しようとするが………。

白い少女

大学生であり、女の子にモテるタイプの友人。

そんな彼が、二階から顔を出している少女に恋をした。

彼は両親の勧めで、家に招待される。

あるときから、その友人が失踪したという話を聞いた主人公は、その家に友人を探しに行く。

しかし、少女は普通ではなかった。

大きくなあれ

主人公は小学校の頃の友人の家を訪ねた。

その友人は体が大きく、ささいなことでも気に病む性格であり、それをいじめられていた。

あるとき主人公が雑誌で読んだ催眠を友人に試してみることにした。

主人公は友人に体が大きくなれという催眠をかけた。

友人は打ち消す暗示をかけてほしいと頼んできたが、主人公は「気にしなければいいんだよ」とつっぱねた。

その後友人とは会っていなく、どうなっているかは知らない。

ただ、気になって再び訪れた主人公がみた友人の姿とは。

反乱

主人公は虫が子供のころから嫌いだった。

彼は子供のころ、ライバルに虫嫌いでいじられた体験から、克服するために、虫を殺し続けた。

大人になり、別荘に向かう。

しかし、道中含め、まるで、虫たちが自分に敵意をもって襲い掛かってくるように思えた。

別荘につき、リラックスするが、ゴーっという地鳴りのような音が聞こえてきたり、次第に虫たちに家が包囲される。

そして、別荘に入り、殺虫スプレーや蚊取り線香で籠城するが、虫たちの勢いは収まらない。

葬られた薬

友人の嫁と不倫関係にあった、主人公。

そのことがばれないように関係を続けていた。

あるとき、友人から不老長寿の薬を発明したという話をきいた。

しかし、その薬には友人の策略が込められていた。

子宮の館

あるとき、「子宮の館」という建物の客引きにあった主人公。

主人公は言われるがままに入っていくと、そこには本物の何十倍もの女性のあの部分が壁に取り付けられていた。

彼は体ごと、その中に入っていった。

中の空間はとても落ち着き、主人公は高い金額なのにも関わらず、次第にはまっていく。

あるとき、スペシャルコースというものに、会社を辞め、退職金すべてを払い、申し込む。

屋上の老人たち

屋上に老人たちが集まり、双眼鏡を見ている。

彼らは刺激を求め、当番の人がいたずらをし、それをみんなでみるというものだった。

しかし、そのいたずらは次第にエスカレートしていくことになる。

恐怖の日常

部屋に黒い煙があった。

家族円満の家庭であったが、兄が自殺してから変わった。

主人公はその黒い煙について考察する。

作者

「SFマガジン」の新人コンテストで小説家としてデビュー。

『愛の衝撃』の表題作は『世にも奇妙な物語 真夏の特別編』(1993年)にて「いじめられる女」として映像化された。 現在は小説は書いておられないようです。

作品情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (1989/2/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1989/2/1
  • 文庫 ‏ : ‎ 278ページ

感想

どれも読んでいて面白い、クオリティが高い作品が続きます。

ただ、あらすじを読んでいただければわかると思うのですが、怖い系のホラーではなく、少し気持ち悪い系のホラーなので、読む人を選ぶかもしれません。

私も反乱に関しては、虫が好きではないの少し気持ち悪かったです。

世にも奇妙な物語で放送されたこともあるらしいので、好きな方にははまるのではないかと思います。

面白いことは間違いないので、知らない作家であっても食わず嫌いしないで読んでみるものだなと思いました。

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