[名作SF小説]ソラリスのあらすじ・考察・レビューを簡単に
表示が乱れた場合は再ロードをお試しください。
要約
惑星ソラリスを探査中のステーションで異変が発生した。謎の解明のために送りこまれた心理学者ケルヴィンの目の前に自殺した恋人ハリーが姿を現し、彼はやがて悪夢のような現実と甘やかな追憶に翻弄されていく。人間とはまるで異質な知性体であるソラリス。そこには何らかの目的が存在するのだろうか。コンタクト―地球外の知性体との遭遇について描かれた、最も哲学的かつ科学的な小説。広大無辺な宇宙空間において、理解不能な事象と愛の記憶に直面し、人は何をすべきか。
作者
スタニスワフ・レム
1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領)に生まれる。
深淵かつ巨視的なテーマの作品から、20世紀世界文学市場の巨人に例えられる。
作品情報
ソラリスの「海」との接触を試みる、ファーストコンタクト系。よくある宇宙人との接触を描いたものでなく、意識があるのかないのかわからない「海」とコンタクトを試みるストーリーが新鮮です。
スタにスワフ・レムが書いた地球外生命体とのコンタクトの三大長編の一つです。
二〇一四年発売の「S‐Fマガジン」(早川書房)創刊七〇〇号記念特大号で発表された読者投票による「オールタイム・ベストSF」では、海外長篇部門の第一位がレムの『ソラリス』でした。
また、この作品は二度も映画化されています。
一度目は1972年のソ連映画、アンドレイ・タルコフスキー監督の映画「惑星ソラリス」です。この作品はカンヌ国際映画祭審査員特別賞と第9回星雲賞映画演劇部門を獲得しています。
期間限定?でyoutubeで見れるので興味がある方はぜひ
二度目は2002年のアメリカ映画、スティーブン・ソダ―バーグ監督の「ソラリス」です。
NHKの100分で名著でも解説がされているようです。まだ見ていないのですが暇なときにでも見ようと思います(NHKオンデマンドはひと月契約しようとした場合、いつ入会しても月末までしか見れないのでお気をつけて!)。
名著71 「ソラリス」:100分 de 名著 (nhk.or.jp)
感想
序盤、主人公がソラリスの基地についた時、先遣隊はみんな様子がおかしくなっていた。それに加え、仲間の死、死んだはずの主人公の恋人の登場と、まるでミステリー物のような雰囲気を覚えました。さらに、ソラリスの雄大で不可解な海の描写が恐ろしさを生み出します。しかし、読み進めていくと、主人公とその死んだはずの恋人ととの悲しくも美しい恋心によってとても感動できます。
個人的に、科学の果てに神の存在をうっすらと感じるようなストーリーが好きなので、最後の方のソラリスから神性を感じ取るシーンは必見
ピックアップセンテンス
個人的に印象深った文章をネタバレしない程度に5つ選んでみました。
- いったい誰を見かけるというんだ?幽霊か?(p23)
- 遠くからでも、そこに何が漂っているのが見えました。(p152)
- わかるか?ちょっとしたウラン爆弾に匹敵するものが、ステーションの内部で爆発するということさ。(p241)
- 彼女は額を私の肩に打ち付けてきた。張り詰めたまぶたの震えと涙の湿り気が感じられた。(p355)
- あの海のことではない。あれはせいぜい、成長の途中で神になるチャンスを逃してしまったもの、といったところだろう(p375)