- 2024/04/05(金)
[少女終末旅行]ほのぼのした雰囲気と救いのないディストピア
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『少女終末旅行』は、つくみず原作の終末世界を舞台にしたSFアニメです。
崩壊した文明の名残を旅するふたりの少女チトとユーリが、戦争の爪痕や遺された機械、誰もいない都市の中で、日々を紡いでいく様子を描いています。
一見地味ながら、深い哲学性と静謐な美しさが特徴で、「終末系アニメの金字塔」とも称される作品です。
少女終末旅行とは?
新潮社の『くらげパンチ』で2014年〜2018年(全6巻)の間に連載されていた漫画です。
2019年「第50回星雲賞」コミック部門受賞している、骨太の作品でもあります。
作者はつくみず先生です。
この漫画の原型は元々つくみず氏がネットで公開していた短編作品であり、それを見つけた編集者がオファーをかけたことで商業展開されたそうです。
該当の短編作品は、改訂の上第3話「風呂」として収録されている模様です。
あらすじ
文明が崩壊した世界。
生き残った少女チトとユーリは、ケッテンクラートという小型車両に乗って、朽ち果てた都市を旅する。食料や燃料を求めてさまよう日々の中、彼女たちは時に笑い、時に哲学的な会話を交わしながら、ゆっくりと“終わり”の風景を進んでいく。

登場人物
チト(Chi)
知的で几帳面な少女。本を読むのが好きで、論理的な思考をする。基本的にツッコミ役。
ユーリ(Yuu)
陽気でマイペースな少女。銃の扱いに慣れており、食欲旺盛で本は読めない。天然ボケ。
物語は終末した世界、チトとユーリという二人が、都市の最上階を目指す物語です。
世界観
荒廃した未来、時は西暦3000年ごろ。物語の舞台は、文明の名残をとどめた多層構造の巨大廃墟都市です。
この都市はかつて、地球を離れ独自の発展を目指した人類によって築かれた高度なインフラ都市だったようです。しかし、大規模な戦争により人口の大半が失われ、文明は一気に衰退しました。
当時の科学技術は極めて進んでおり、都市を一撃で灰燼にするビーム兵器を搭載した巨大ロボットや、完全な自我を持つAIなどが実用化されていました。その一部は今なお稼働しているものの、現在ではそのような技術を維持できず、ケッテンクラートや三八式歩兵銃といった旧時代の兵器を再利用するしかない状況です。
都市は階層ごとに分かれており、かつては連絡塔を通じて各層を行き来できたようですが、文明崩壊とともに接続は断たれました。戦争中に使用された電磁波兵器により、電子機器の多くは完全に機能を失い、今では塔の外壁に設置された手動の昇降機でのみ上下移動が可能です。
都市の環境は寒冷で、雨や雪が頻繁に降ります。動植物の姿はほとんどなく、生存者と限られた養殖・栽培生物を除いて、生態系はほぼ壊滅しています。ユーリが「チョコレートを知らない」と語る場面からも、自然由来の食品が失われて久しいことがうかがえます。
言語面でも文明の痕跡は風化しており、漢字やアルファベットはすでに使われておらず、ひらがなに似た音節文字が一般的に使われています。チトたちも旧文字を読めないため、古文書や看板の解読に苦労する場面がしばしば登場します。
また、かつて信仰されていたと思しき大規模宗教の遺構も都市内に点在しており、石像や廃墟となった聖堂が文明の過去を静かに語っています。
アニメと漫画の違い
映像化もされています。
2017年10月から12月まで放送。全12話。
アニメ化されているのは単行本5巻までです。
チト(CV:水瀬いのり)
ユーリ(CV:久保ユリカ)
作品のおすすめポイント
この作品はいわゆる『日常系』と呼ばれる緩い感じとつくみず先生の絵が特徴なのですが、食料がなかったり、ロボットが出てきたりと言った、骨太のディストピア要素が詰め込まれていることが特徴です。
何といっても、終盤のこのコマ、本当に感動しました。アニメもいいですが、漫画をお勧めします。


